やさしいKI法
磯辺式問題解決法で生産性をあげよう
磯部邦夫 日本規格協会 1,029円 初版1987/3/20
感想 4点(5点満点中)
読書期間:2004/12/7〜12/15
「品質改善の考え方」
品質改善で悩んでいた時に、先輩コンサルタントに本書を薦められました。教科書や参考書というよりは、考え方・気付きを与えてくれる本です。
ものつくりにおける品質改善は、自分の意識外の要因により問題発生します。意識外にあるのだからいくら経験者が集まって考えてもダメで、事象に学ばなければならないとありました。特にバラツキの問題がポイントになるようです。
しかしながら、経験者が持っている暗黙知を棚卸し、組合わせることによっても新たな問題点に気付くことがあります。問題点を狭めた上で、事象に学び、いくつかの要因を抽出する。それからQEを適用すれば、高い確率で改善できるのではないかと思われます。
製造業において品質問題に悩む方には必読の書です。
要旨
目に映っていても見ようとしなければ見えない。したがって問題に気付くようになることが問題解決にとって一番大切。
1.平均的な見方は事実を歪める
強いテグスが切れ、弱くしても切れなくなった話
エンジニアは固有技術に重点を置きて考え、欠陥が局所的に現れるという認識に欠ける面がある。
厚いパネルが割れ、薄くすることで割れなくなった話
ミクロ的にデータを取ったほうが、より多くの情報が得られる。
良いグループと悪いグループの違いを丁寧に調べれば、問題を解く鍵が見つかる。
2.KI法における問題解決とは
問題解決の10ステップ
1)問題の提起(例:切れないテグスをつくろう)
2)問題の認識(例:テグスに強いところと弱いところがある)
3)アウトプットの分析(例:弱い箇所が一定の周期で発生する)
4)狙いの決定(例:製造工程の終わりから遡って調べる)
5)観察方法の決定(例:ビデオカメラで撮影する)
6)作業の観察(例:巻き枠の規則性と類似している)
7)対応データの収集
8)因果関係の把握
9)改善案の検討
10)改善案の実施
4つのタイプの問題がある
意識外の要因に原因があるケースは経験者が集まっても問題は解決しない。
起こっている事象を観察して法則性をつかみ出すしかない(事象に学ぶ)。
原因となる要因を考え出すのではなく、見つけ出すのがKI法の特徴。
問題を解こうとしないでラウンドをまわそう
10のステップを繰り返し、観察する範囲をだんだん狭くしていく。
KI法と従来の問題解決法との違い
不良が問題だと捉えないで、良品ができたりできなかったりすると、バラツキが大きいのを問題と捉える。
数値化されなくても、違いや変化がわかるものを扱う。
KI法における対策について
3.バラツキに疑問を持とう
数量の表のバラツキに疑問を持とう グラフの中のバラツキに疑問を持とう
場所の違いに疑問を持とう
形状の違いに疑問を持とう
情報の中のバラツキに疑問を持とう
事実を知るために手法を使おうとしているのに、手法を使うためにかえって事実を見えなくしてしまっては、手法を勉強した意味がない。
何事も当たり前と考えては進歩はない。
4.問題を解くときには早く焦点を絞ろう
焦点を早く絞る方法
二十の扉というゲーム。15回の質問をすると32768分の1に考える範囲を狭くできる。
場所で前にさかのぼろう
時間で前にさかのぼろう
部品の交換実験をしよう
5.ちがいを見つけよう
比較してみよう
拡大してみよう
重ねあわせて見よう
まわりを見よう
上司は、「こんなことがなぜわからなっかったのか」等と部下にいってはいけない。
以上
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